認知症予防は何から始める?まずやるべきことをわかりやすく解説
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認知症というと「高齢者の病気」というイメージを持つ方も多いかもしれません。実際、そのイメージは現実とも一致しており、認知症の有症率は年齢とともに高くなることが知られています。
認知症が高齢になるほど増加する背景には、脳の老化があります。人間の脳は一般的に20歳前後をピークに、その後は加齢に伴って少しずつ体積が減少していきます。この変化は「萎縮」と呼ばれ、誰にでも起こる自然な老化現象です。脳の萎縮が進むと、記憶力や判断力、注意力といった認知機能も徐々に低下していきます。そのため、加齢は認知症の最大のリスク要因と考えられており、高齢になるほど発症リスクが高まるとされています。
しかし、認知症は決して「年を取れば必ずなる病気」ではありません。近年の研究では、認知症の発症には加齢だけでなく、生活習慣や健康状態が大きく関係していることが明らかになっています。適切な生活習慣を心がけ、リスク要因を減らしていくことで、認知症の発症リスクの低減が期待できます。
そのため、認知症予防を考える際には、まず認知症の仕組みやリスク要因を正しく理解することが重要です。そこで今回は、認知症予防の基本的な考え方を解説するとともに、予防のためにまず何から始めればよいのか、今日から実践できる具体的な取り組みをご紹介します。
認知症予防は何から始める?まず知っておきたい基本
認知症は予防できるのか
認知症予防について考える前に、まずは認知症そのものについて正しく理解しておきましょう。認知症とは特定の病気の名前ではありません。さまざまな病気や身体・精神のトラブルによって認知機能が低下し、その結果として日常生活や社会生活に支障をきたしている状態の総称です。
そのため、認知症を引き起こす原因はひとつではなく、アルツハイマー型認知症や血管性認知症をはじめ、多くの原因疾患が存在します。
一方で、近年の研究から、認知症の発症には加齢だけでなく生活習慣も深く関係していることがわかってきました。運動不足や睡眠不足、喫煙、過度な飲酒、高血圧や糖尿病といった要因は、認知症の発症リスクを高めるとされています。こうしたリスク要因を改善・管理することは、将来的な認知症リスクの低減につながると考えられています。
もちろん、加齢そのものを止めることはできません。年齢を重ねるにつれて認知症のリスクが高まることは避けられない側面があります。しかし、だからといって認知症が必ず発症するわけではありません。認知症は「完全に防げる病気」とまでは言えないものの、生活習慣を見直し、リスク要因を減らしていくことで、脳の健康維持や発症リスクの低減を目指すことができます。
「何をすればいいかわからない」と感じる理由
認知症予防と聞くと大切なことは分かるものの、「結局何をすればいいの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。
認知症予防とは、将来にわたって日常生活や社会生活を維持するための取り組みです。そのためには、健康に悪影響を及ぼす習慣を減らし、脳や身体の健康を支える習慣を増やしていくことが欠かせません。言い換えれば、認知症予防の基本は日々の健康づくりにあると言えます。
しかし、生活習慣は長い年月をかけて身についたものです。睡眠や食事、運動、ストレスへの対処方法などは、知らず知らずのうちに習慣化されているため、改善したいと思っても簡単に変えられるものではありません。
また、自分自身の生活習慣を客観的に把握し、認知症予防の観点からどこに改善の余地があるのかを見つけ出すことも簡単ではありません。健康に関する知識がなければ、自分では問題がないと思っている習慣が実はリスク要因になっている場合もあります。
こうした背景があるため、認知症予防に取り組もうとしても「何をすればよいかわからない」と感じるのは、ごく自然なことです。
とはいえ、何も対策をしないまま現在の生活を続けていると、気づかないうちに認知症のリスクを高めてしまう可能性があります。そのため、まずは自分の生活習慣を振り返り、認知症について正しい知識を身につけることが大切です。認知症予防は、特別なことから始める必要はありません。まずは現状を知り、できることから少しずつ見直していくことから始めていきましょう。

画像素材:PIXTA大切なのは継続すること
前述のとおり、認知症は加齢とともに発症リスクが高まることが知られています。そのため、認知症予防は短期間だけ集中的に取り組めばよいものではなく、長い人生を通じて続けていくことが重要です。
言い換えれば、認知症予防において最も大切なのは「継続すること」です。
これからご紹介する認知症予防の方法は、いずれも特別に難しいものではありません。しかし、何十年もの間すべて完璧に続けることは現実的ではないでしょう。だからこそ、認知症予防における継続とは「完璧に続けること」ではありません。
大切なのは、今の自分にできることを無理のない範囲で取り入れ、少しずつ積み重ねていくことです。続けられない期間があっても、それだけでこれまでの取り組みの意味がなくなるわけではありません。一つひとつの小さな取り組みを積み重ねることが、結果として認知症予防につながります。
そのため、「今日はできなかった」「なかなか習慣にならない」と感じる日があっても必要以上に気にする必要はありません。大切なのは、一度の失敗で諦めてしまうのではなく、またできるところから再開することです。
認知症予防は短距離走ではなく、長い時間をかけて取り組むマラソンのようなものです。焦らず、自分のペースで続けていくことを意識しましょう。
認知症予防でまず意識したい3つの基本
生活習慣を整える(運動・食事・睡眠)
認知症予防を始めるうえで、まず取り組みたいのが生活習慣の見直しです。
認知症だけでなく、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病といった健康寿命に大きく影響する病気には、生活習慣が深く関わっていることがわかっています。そのため、生活習慣を整えることは認知症予防にとどまらず、将来の健康を守るための土台づくりとも言えるでしょう。
生活習慣の改善で大切なのは、喫煙や過度な飲酒、慢性的な睡眠不足といった心身に負担をかける習慣を減らし、バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動といった健康を支える習慣を増やしていくことです。
とはいえ、いきなり理想的な生活を目指す必要はありません。まずは現在の自分の生活を振り返ることから始めてみましょう。
例えば、以下のような点を確認してみると、自分なりの課題が見えてくるかもしれません。
- 毎日十分な睡眠時間を確保できているか
- 運動不足になっていないか
- 飲酒や喫煙が習慣化していないか 栄養バランスの偏った食事になっていないか
課題が見つかったら、すべてを一度に改善しようとするのではなく、取り組みやすいものから優先順位をつけてひとつずつ着手していきましょう。
また、生活習慣を改善する際には、「どのような状態が望ましいのか」を知ることも重要です。適切な睡眠時間や栄養バランスの整った食事、無理なく続けられる運動などについて調べ、自分が長く続けられそうな方法を選ぶことをおすすめします。
認知症予防で重要なのは、一時的に頑張ることではなく、健康的な習慣を無理なく続けることです。まずはできそうなことをひとつ選び、今日から少しずつ始めてみましょう。
脳に刺激を与える習慣を取り入れる
生活習慣の改善とあわせて意識したいのが、「脳に刺激を与える習慣」を取り入れることです。
人間の脳には可塑性と呼ばれる性質があります。これは、経験や学習によって脳の働きや神経回路が変化する能力のことで、年齢を重ねてもある程度保たれると考えられています。そのため、脳に適度な刺激を与え続けることは、認知機能の維持にもつながると考えられています。
とはいえ、脳への刺激と聞くと難しい勉強や特別なトレーニングを思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、必ずしもそうした特別な取り組みが必要なわけではありません。
例えば、料理や散歩、運動といった日常的な活動はもちろん、裁縫や楽器演奏などの創造的な趣味、読書や映画鑑賞、観劇といった文化的な活動も脳へのよい刺激になります。大切なのは、「自分が興味を持てること」「楽しいと感じられること」を継続することです。
また、これまであまり経験してこなかったことに挑戦するのもおすすめです。例えば、自炊の習慣がなかった方が料理を始めたり、運動習慣がなかった方がウォーキングやジム通いを始めたりすることも、脳へのよい刺激につながります。
特に、新しいことに挑戦するときには、計画を立てたり、試行錯誤したり、覚えたりする過程が生まれます。こうした一連の活動は脳のさまざまな領域を使うため、認知機能の維持という観点でも有益と考えられています。そして何より、「やってみたい」「続けてみたい」という意欲そのものが、脳への刺激につながると考えられています。
認知症予防のために難しいことを始める必要はありません。まずは自分が少しでも興味を持てることや、楽しみながら続けられそうなことを見つけ、日常生活の中に取り入れてみましょう。

画像素材:PIXTA人とのつながりを保つ
実は、認知症予防において「人とのつながりを保つこと」も重要な要素のひとつとされています。
近年の研究では、社会的孤立や孤独が認知症の発症リスクと関連することが指摘されており、その背景にはさまざまな要因が考えられています。例えば、人との交流が少なくなると生活の範囲や活動内容が限定されやすくなり、脳が新しい刺激を受ける機会も減少します。また、会話やコミュニケーションの機会が減ることで、言語機能や記憶力、注意力などを使う場面も少なくなり、結果として認知機能の低下につながる可能性があります。
さらに、一人で過ごす時間が長い場合、自身の物忘れや認知機能の変化に気づきにくくなることもあります。家族や友人、地域の人々との関わりがあれば、小さな変化に周囲が気づき、早期の受診や相談につながることも少なくありません。
また、会話そのものも脳にとってよい刺激になると考えられています。相手の話を理解し、自分の考えを整理して言葉にし、相手の反応を受けて会話を続けるという一連の流れには、記憶力や注意力、判断力、言語能力など多くの認知機能が使われています。
そのため、家族や友人との何気ない会話や地域活動への参加、趣味を通じた交流などは、認知機能の維持にも役立つと考えられています。もちろん、人とのつながりは「作ろう」と思ってすぐに作れるものではありません。また、一度できた関係も自然に維持されるわけではなく、日頃から関わり続けることが必要です。
だからこそ、認知症予防の観点からも、人との関わりを意識的に大切にしていくことが望ましいでしょう。特別な活動を始める必要はありません。家族や友人と連絡を取り合う、近所の人とあいさつを交わす、趣味の集まりに参加するなど、身近なところから交流を続けていくことが、将来の健康につながっていくでしょう。
認知症予防にあわせて取り入れたい5つの習慣
ここまで、認知症予防の基本として「生活習慣を整えること」「脳に刺激を与えること」「人とのつながりを保つこと」をご紹介してきました。これらは認知症予防の土台となる重要な取り組みです。
ここからは、それらに加えてぜひ取り入れていただきたい習慣をご紹介します。
これからご紹介する取り組みは、認知症予防に役立つだけでなく、心身の健康維持や生活の質の向上にもつながるものばかりです。日々をより健やかに過ごすための習慣としても、大きな価値があるでしょう。
一方で、こうした習慣の多くは、一度始めれば自然に続くものではありません。忙しい日々の中では後回しになりやすく、習慣化するまでに時間がかかることも少なくありません。
しかし、認知症予防や健康づくりは短期間で成果を求めるものではなく、長い人生を通じて取り組んでいくものです。そのため、今すぐすべてを実践できなくても心配する必要はありません。
大切なのは、「できるようになったら始める」「興味を持ったときに挑戦する」という柔軟な姿勢です。引っ越しや転職、新しい趣味との出会いなど、生活に変化が生まれるタイミングは新しい習慣を取り入れる絶好の機会でもあります。
認知症予防は、無理をして続けるものではありません。自分のペースで少しずつ取り入れながら、長く続けられる形を見つけていきましょう。
運動習慣で体力を維持する
運動は、認知症予防のためにぜひ取り入れたい習慣のひとつです。
近年の研究では、身体活動量が多い人ほど認知症の発症リスクが低い傾向にあることが報告されています。また、筋力や身体機能を良好に維持できている人は、そうでない人と比べて認知機能の低下が起こりにくい可能性も示されています。
認知症予防に有効と考えられているのが、日常的な運動習慣です。とはいえ、激しい運動を行う必要はありません。散歩やウォーキング、ラジオ体操といった比較的取り組みやすい運動でも、継続することで心身の健康維持に役立ちます。
また、運動を習慣化するためには、「楽しめること」を選ぶことも大切です。水泳やサイクリング、ダンスなどの有酸素運動、筋力トレーニング、ヨガや太極拳といったバランス能力を養う運動など、選択肢は数多くあります。
認知症予防のために無理をして運動を続ける必要はありません。まずは自分が興味を持てるものや、「これなら続けられそう」と感じるものを見つけることから始めてみましょう。楽しみながら身体を動かす習慣は、将来の認知機能だけでなく、心身の健康維持にも大きく役立ちます。
食生活の改善
私たちの身体や脳は、毎日の食事から得られる栄養によって維持されています。そのため、どのようなものを食べるかは、将来の健康状態にも大きく影響します。
ただし、必要なエネルギー量や栄養素の量は誰にとっても同じではありません。年齢や性別、体格、運動量、健康状態などによって適切な摂取量は異なります。そのため、食生活を見直す際には、まず食事記録アプリなどを活用して確認してみるとよいでしょう。
また、「認知症予防によい」「健康によい」とされる食品は数多くありますが、特定の食品だけを積極的に摂ればよいというものではありません。食生活の基本は、あくまでも栄養バランスの整った食事です。主食・主菜・副菜をそろえ、さまざまな食品を偏りなく取り入れることを意識したうえで、健康によいとされる食品を補助的に活用することが大切です。
食生活を改善する際におすすめしたいのが、現在の食事内容を記録してみることです。近年では、食べたものを入力するだけで栄養バランスや摂取カロリーを確認できるアプリも数多く提供されています。
こうしたツールを活用しながら日々の食事を記録していくと、自分では気づかなかった食生活の傾向が見えてきます。例えば、野菜が不足している、たんぱく質が少ない、塩分や脂質が多いといった課題が明確になることも少なくありません。
食生活の改善は、一度で完璧を目指す必要はありません。まずは現状を知り、自分の課題を把握することが第一歩です。そして、改善できそうな部分から少しずつ見直していくことで、無理なく健康的な食習慣を身につけることができるでしょう。

画像素材:PIXTA睡眠の質の向上
睡眠は、単に身体の疲れを回復させるためだけの時間ではありません。脳の健康を維持するうえでも、非常に重要な役割を担っています。
近年の研究から、脳は睡眠中に日中の活動によって生じた老廃物を排出していることが示されています。脳は絶えず活動しているため、老廃物の発生そのものは避けられません。しかし、十分な睡眠が取れない状態が続くと、それらの老廃物が脳内に蓄積しやすくなると考えられています。こうした老廃物の一部は、アルツハイマー病との関連が指摘されており、長期的な蓄積が脳機能に悪影響を及ぼす可能性も示されています。そのため、適切な睡眠を確保することは、認知症予防の観点からも重要な意味を持っています。
また、睡眠がもたらす効果は認知症予防だけではありません。十分な睡眠は心身の疲労回復を促し、免疫機能の維持やストレスの軽減、記憶の定着、学習効率の向上など、さまざまな健康効果につながることが知られています。
一方で、睡眠時間は忙しい現代社会の中で真っ先に削られやすい時間でもあります。しかし、睡眠不足を慢性化させることは、心身の健康だけでなく将来の認知機能にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、認知症予防を考えるうえでも、睡眠時間を意識的に確保し、睡眠の質を高めることが大切です。
なお、「質のよい睡眠」と「十分な睡眠時間」は切り離して考えることはできません。どれだけ寝具や寝室環境を整えても、睡眠時間そのものが不足していては十分な効果は期待できないためです。
一般的に、成人に推奨される睡眠時間は7~9時間程度とされています。もちろん個人差はありますが、まずはこの範囲を目安に、自分にとって無理のない睡眠時間を確保することを意識してみましょう。
歯周病予防
「認知症予防と歯周病に関係があるの?」と意外に感じる方もいるかもしれません。しかし近年では、歯周病と認知症の関連性について多くの研究がおこなわれており、歯周病を有する人は認知症の発症リスクが高くなる可能性が指摘されています。
また、歯周病は日本人が歯を失う主要原因のひとつとされています。そして、残存歯数が多い人ほど認知機能を維持しやすく、認知症の発症リスクが低い傾向があることも報告されています。加えて、歯を失うと噛む機能が低下し、食事内容が偏りやすくなるだけでなく、咀嚼による脳への刺激も減少します。こうした点からも、歯と口腔の健康を維持することは認知症予防において重要な意味を持っています。
一方で、歯周病は加齢とともに有症率が高まることが知られており、特に40歳以降は注意が必要です。症状が進行するまで自覚しにくい病気でもあるため、できるだけ早い段階から予防に取り組むことが大切です。
歯周病予防の基本は、毎日の丁寧な口腔ケアです。歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)のため、磨き残しを減らし、口腔内を清潔に保つことが重要になります。歯ブラシによるブラッシングに加え、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなどを活用し、歯と歯の間や奥歯の周辺まで丁寧にケアすることを心がけましょう。
また、自宅でのケアだけでは取り除けない汚れや歯石もあるため、歯科医院で定期的な検診やクリーニングを受けることもおすすめです。専門的なケアを継続することで、歯周病の早期発見・早期治療にもつながります。

画像素材:PIXTA聴力や視力の定期メンテナンス
実は聴力や視力の管理も、認知症予防のために意識したい取り組みのひとつです。
特に難聴は、近年の研究で認知症の発症リスクとの関連が指摘されています。聞こえにくい状態が続くと、周囲との会話や社会参加の機会が減少し、脳への刺激が少なくなってしまいます。その結果、認知機能の低下につながる可能性があると考えられています。
一方で、視力の低下も日常生活の活動量や社会参加に影響を与える可能性があります。見えづらさによって外出や趣味の機会が減れば、結果として脳への刺激も少なくなってしまうかもしれません。
もちろん、加齢に伴う聴力や視力の低下を完全に防ぐことは難しい場合があります。しかし、現在では補聴器や眼鏡など、聞こえや見えにくさを補うためのさまざまな方法が利用できます。こうした補助機器を適切に活用することで、日常生活への影響を軽減し、活動的な生活を続けやすくなります。
また、年齢を重ねるにつれて、難聴だけでなく、白内障や緑内障といった目の病気のリスクも高まります。これらの病気は早期発見・早期治療が重要であり、自覚症状が乏しいまま進行するケースも少なくありません。
そのため、一定の年齢になったら定期的に耳や目の検査を受け、自分の状態を確認することをおすすめします。そして、医師から治療や補助機器の使用を勧められた場合は、適切に対応することが大切です。
聴力や視力の管理は、認知症を直接防ぐ特別な方法というよりも、活動的な生活を維持し、社会参加の機会を保つための基盤づくりと言えます。将来も「聞こえる」「見える」状態をできるだけ長く保つために、定期的な検査と適切なケアを心がけることが大切です。
まとめ
今回は、認知症予防のためにまず何から始めればよいのか、今日から実践できる具体的な取り組みを紹介しました。
これまで見てきたように、認知症予防のための取り組みは、特別なことではなく日々の健康づくりそのものです。適度な運動や十分な睡眠、バランスのよい食事、人との交流などは、認知症予防だけでなく、心身の健康維持にも幅広く役立ちます。
こうした取り組みは、すぐに目に見える効果を実感できるものではありません。しかし、長期的に継続することで、認知症の発症リスクを低減するだけでなく、将来にわたる健康や生活の質の向上にもつながる大切な土台となります。
また、日々の健康づくりとあわせて、自身の脳の状態を定期的に確認することも重要です。『認知症と向き合う365』では、MRI画像をAIで解析する「BrainSuite®」と認知機能セルフチェックを組み合わせることで、脳の状態や認知機能の変化を継続的に把握できます。
健康状態の変化は、自分自身では気づきにくいことも少なくありません。特に脳の状態は自覚しづらいからこそ、定期的なチェックを取り入れることで、自身の健康状態を把握するとともに、必要に応じて早めの相談や受診を検討するきっかけになります。
認知症予防は、将来のためだけではなく、今をより健やかに過ごすための取り組みでもあります。できることから少しずつ始め、無理なく継続していきましょう。
- 画像素材:PIXTA
【参考文献(ウェブサイト)】
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https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/detail/20200410_theme_t22.pdf - 国立長寿医療研究センター(2022). あたまとからだを元気にする MCIハンドブック. [オンライン]. 2026年6月24日アクセス,
https://www.mhlw.go.jp/content/001100282.pdf
【参考文献(書籍)】
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- 浦上克哉(2021). 科学的に正しい認知症予防講義. 翔泳社.
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- 櫻井武(2017). 睡眠の科学・改訂新版. 講談社.
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- 長尾和宏(2023). コロナと認知症. ブックマン社.
- 中村丁次(2025). ニュートン超図解新書 最強に面白い 食と栄養. ニュートン.
- 中西真/新井康通(2024). 今と未来がわかる 老化の科学. ナツメ社.
- 水口俊介(2025). からだの「衰え」は口から 歯と健康の科学. 講談社.
- 森勇馬(2023). 認知症は予防が9割. マガジンハウス.
- 柳沢正史(2024). 今さら聞けない 睡眠の超基本. 朝日新聞出版.
- 山田悠史(2025). 認知症になる人 ならない人. 講談社.
- 和田秀樹(2022). 医者が教える50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」. ディスカヴァー・トゥエンティワン.
- 和田秀樹(2024). みんなボケるんだから. SBクリエイティブ.
この記事の監修者
佐藤俊彦 医師
福島県立医科大学卒業。日本医科大学付属第一病院、獨協医科大学病院、鷲谷病院での勤務を経て、1997年に「宇都宮セントラルクリニック」を開院。
最新の医療機器やAIをいち早く取り入れ、「画像診断」によるがんの超早期発見に注力、2003年には、栃木県内初のPET装置を導入し、県内初の会員制のメディカル倶楽部を創設。
新たに 2023年春には東京世田谷でも同様の画像診断センター「セントラルクリニック世田谷」を開院。
著書に『ステージ4でもあきらめない 代謝と栄養でがんに挑む』(幻冬舎)『一生病気にならない 免疫力のスイッチ』(PHP研究所)など多数。
