運動不足が脳に与える影響とは?認知症との関係や解消方法について解説
最近、運動する機会を十分に取れていますか?気づけば「しばらく体を動かしていないな」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、運動不足がもたらす影響は、単なる筋力や体力の低下にとどまりません。生活習慣病のリスクを高め、長期的には心疾患や呼吸器疾患、さらには認知症の発症リスクが高まることが示されています。
そこで今回は、運動不足が脳や全身の健康に与える影響や認知症との関連性について解説するとともに、今日からはじめられる運動不足解消のポイントを紹介します。
運動不足は脳にどんな影響を与えるのか
現代人の多くが運動不足
現代人の多くが、仕事や家事、プライベートなどに追われ、運動する時間を確保するのが難しい生活を送っています。そのため、運動不足に陥りやすいのも無理はありません。
実際、令和5年度のスポーツ庁による「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では全年代平均で週に2日以上運動・スポーツを実施している人は27.2%に留まり、多くの人が十分に体を動かせていない状況が明らかになっています。特に20〜50代の働き盛りの世代ではこの割合が約20%前後に留まり、現役世代ほど運動の機会を確保しにくい状況が浮き彫りになっています。
しかし、「40代の健康状態は、20~30代の過ごし方で決まる」といわれるように、健康は短期間でつくられるものではなく、長期的な習慣の積み重ねによって形づくられます。そのため、現在運動不足であるということは、結果的に将来の健康リスクを積み上げている状態でもあるということです。
運動不足の影響
運動不足は、私たちの体だけでなく、心や生活全体にもさまざまな影響を及ぼします。運動不足と健康の関連性は世界中で研究されており、その結果、運動は様々な慢性疾患の予防に効果的であることが明らかになっています。裏を返せば、運動不足とはそれらの慢性疾患を間接的に引き起こす原因にもなるということです。
まず、運動不足は脂質異常症・高血圧・肥満・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を招きやすくなります。これらは放置すると心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患、さらにはがんなどの重大な疾患へとつながるリスクが指摘されています。また、運動不足な人は骨が弱くなりやすく、結果として骨折や転倒の危険性が上昇します。骨折・転倒は要介護となった原因の第1位であり、生活への影響は決して小さくありません。
さらに、運動はストレス軽減や気分の安定など、メンタルヘルスの面でも良い効果が期待できます。多くの研究で、運動が心の健康にも深く関わっていることが示されており、運動不足が知らず知らずのうちにメンタルに影響している可能性は少なくありません。
運動不足が中高年で問題化しやすい理由
若いころは運動不足の影響が自覚しづらい一方で、40代以降の中高年になると、これまでの運動不足による蓄積が一気に表面化してきます。
特に中高年では筋力や体力が低下しやすく、基礎代謝も徐々に落ちていきます。こうした変化の中で、体を動かす習慣が乏しい人は、運動習慣のある人に比べて体力や代謝の低下がより速いペースで進みやすいことが明らかになっています。また、中高年で運動習慣がない場合、年齢を重ねてから新たに運動を始めるハードルが高くなり、そこに加齢による身体の衰えが重なることで、身体を動かすこと自体を避けがちになりやすくなります。その結果、運動不足がさらに進み、代謝の低下速度を早める悪循環に陥りやすくなります。
さらに、中高年での運動不足は、その後の高齢期の健康状態に大きく影響します。つまり、この年代で運動不足が続くと、将来の病気や要介護リスクを高める可能性があります。今の生活スタイルが、これから先の健康寿命を左右するといっても過言ではないのです。
認知症と運動不足の関係
運動不足の影響は、体や心だけにとどまりません。実は、近年の研究から運動不足が認知症の発症リスクを高めることも明らかになっているのです
認知症の発症は、これまでの生活習慣と密接に関連しています。認知症にはさまざまな種類がありますが、それらの多くが長年の生活習慣によって発症リスクが高まることが分かっており、運動不足はこうした発症リスクを押し上げる要因の一つです。
もちろん、運動不足自体が直接的に認知症を引き起こすわけではありません。しかし、運動量の低下によって体力や代謝が落ちることで生活習慣病やそれらに関連する疾患を発症しやすくなり、連鎖的に認知症の発症リスクまでもが高まるのです。
ここからは、運動不足が認知症リスクにどのように影響するのか、そのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。

画像素材:PIXTA脳血流の低下による脳機能への影響
脳は常に活動を続けており、そのために大量の血流とエネルギーを必要としています。実に、1日に摂取するエネルギーの約18%が脳の活動に使われるほどです。そして、そのエネルギーを運ぶ役割を担っているのが血流です。
脳が本来のパフォーマンスを発揮するためには、十分な血流が欠かせません。運動には全身の血行を促進する働きがあり、脳への血流量が増加し、脳の血管が増えることも知られています。つまり、運動不足が続くと脳に届けられる血流が減少し、その結果として脳機能が十分に働かなくなる状態を招きやすくなるのです。
脳は適切に血流が保たれることで活性化し、情報処理や記憶、判断といった多様な機能を維持できます。しかし、血流が乏しい状態が慢性的に続くと、脳が十分に力を発揮できない状態が当たり前になり、気づかないうちに認知機能が徐々に低下していく可能性があります。
このような状態が続くと、将来的に認知症リスクの上昇につながることも報告されています。身体を動かす時間が乏しい、ということは脳を活性化する機会の減少にもつながるのです。
生活習慣病が認知症リスクを高める
肥満・メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病といった生活習慣病は、認知症の発症リスクと関連していることが多くの研究で報告されています。運動不足は、これらの生活習慣病と密接に結びついているため、結果的に認知症リスクを高める一因となる可能性があります。
生活習慣病のうち、特に注意が必要なのが糖尿病です。糖尿病の人は、そうでない人と比べて認知症を発症するリスクが約2倍に高まることが知られています。糖尿病はインスリンが十分に働かず、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気ですが、その状態を放置していると、全身の血管を傷つけ、動脈硬化が進行しやすくなるため、脳血管が詰まりやすくなり、結果として脳機能にも悪影響を及ぼします。
とはいえ、糖尿病だけが危険というわけではありません。生活習慣病はいずれも長期的に身体へ負担をかけ、その影響は脳の健康にも直結します。つまり、どの生活習慣病であっても認知症リスクの上昇につながる可能性があることを理解しておくことが重要です。
肥満は脳の萎縮を早める
肥満の主な要因には食べ過ぎと運動不足が挙げられます。まれに内分泌の異常などが関係する場合もありますが割合としては限られており、多くは日常のこうした習慣によって引き起こされます。
研究によると、中年期に肥満であった人は、正常体重の人に比べて認知症を発症するリスクが約1.5倍前後高いことが明らかになっています。特に、体脂肪が多い一方で筋肉量が不足している「サルコペニア肥満」の場合、認知症リスクが最大で6倍以上に高まることが一部研究から報告されています。
さらに、肥満は脳の萎縮とも深く関係しています。BMI25以上の過体重・肥満の人は、正常体重の人と比べて脳が萎縮しやすく、特に高次機能を担う「灰白質」が縮小し、脳全体の容量が減少することが分かっています。

画像素材:PIXTA運動習慣がある人は認知症リスクが下がる?
実は、運動習慣のある人は、そうでない人と比べて認知症リスクが低いことが、数多くの研究から明らかになっているのです。
認知機能と運動機能は密接に関連しており、中高年を対象にした長期追跡研究では、定期的に中強度の運動をおこなっている人は、運動習慣がない人と比べて認知症の発症リスクがおおよそ20〜30%低いことが報告されています。
WHO(世界保健機関)が発行しているガイドライン「認知機能低下および認知症のリスク低減」においても、認知機能低下のリスクを低減するために身体活動が推奨されています。ここからは、運動習慣がどのようにして脳や認知機能に良い影響を与え、認知症リスクを下げるのか、その具体的なメカニズムを見ていきましょう。
運動が認知機能を高める理由
前提として、認知症とは特定の病名ではなく、「疾患やトラブルなどにより認知機能が低下し、社会生活や日常生活に支障をきたしている状態」の総称です。そのため、認知症でない状態を保つことは、認知機能を維持し続けることを意味します。 近年の研究から、運動は認知機能の維持や向上に非常に効果的であることが明らかになっています。では、なぜ運動が脳の働きを高めるのでしょうか。
1. 脳血流の増加
運動をおこなうことで、全身の血流が促進され、脳への血流も増加します。脳は活動に多くのエネルギーを必要とする臓器であり、血流が増えるほど神経細胞の働きが活性化されます。筋肉が運動によって強化されるのと同じように、脳も血流を通じて活性化されるのです。
2. マイオカインの分泌
運動によって筋肉から分泌される「マイオカイン」は、神経細胞の成長やシナプスの可塑性を促進することが知られており、これが認知機能の維持や向上に効果があると考えられています。特に、BDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌が増えることで、学習や記憶機能が改善されることが報告されています。
3. 心理的なポジティブ効果
運動は気分をリフレッシュさせ、ストレスを軽減し、自己肯定感を高めるなどの心理的なポジティブ効果ももたらします。こうした心理的効果は、認知機能にも間接的に好影響を与えることがわかっています。
これらの要因が組み合わさることで、運動は単に体を健康にするだけでなく、脳の働きを活性化し、認知機能を維持・向上させる強力な手段となるのです。

画像素材:PIXTA有酸素運動の効果
運動の中でも有酸素運動は、認知機能にポジティブな影響を与えることが多くの研究で示されています。
有酸素運動とは、ウォーキング、ランニング、ジョギング、水泳、サイクリング、ダンスなど、「呼吸で酸素を取り入れながら、軽~中程度の負荷を長時間継続しておこなう運動」のことを指します。長時間にわたり一定の負荷で体を動かすことが特徴です。
有酸素運動を継続すると、脳への血流が増加し、神経細胞の働きを活性化させることが報告されています。また、有酸素運動には、体脂肪の燃焼、心肺機能の向上、血圧や血糖値の改善などの効果が期待でき、肥満や高血圧、糖尿病といった生活習慣病の予防にもつながります。
これらの生活習慣病は、認知症リスクを高める主要因の一つとされているため、有酸素運動をおこなうことは間接的に認知症予防にもつながります。
認知症予防のための運動不足解消の取り組み
認知症研究で注目されているのが、フィンランドで行われた「FINGER研究」です。この研究では、運動・食事・認知トレーニング・血管リスク管複数の生活習慣に対する介入をおこなうことで、従来のケアと比べて認知機能の低下や、総合的な認知スコアの改善が認められました。
特に運動に関しては、認知機能を高めるうえで有効とされる運動量やメニューが示されています。以下を参考にして、運動の習慣をつけていきましょう。
- 有酸素運動(ウォーキングやサイクリングなど)を週3〜5回、1回あたり30〜45分程度
- 筋力トレーニングを週2〜3回、主要な筋群をカバー
- 柔軟性やバランスを意識した軽い運動も合わせて行う
ただし、運動習慣がない人や運動経験が少ない人が、いきなりこの目標を達成しようとするとケガのリスクがあります。大切なのは、最終目標としてこの運動量を意識しつつ、少しずつ運動の習慣を身につけることです。
ここからは、運動習慣がない人でも無理なく運動を始められる方法を具体的に見ていきましょう。
運動習慣がない人はラジオ体操から
まず、運動習慣がない人は、突然運動を始めるとケガをしやすい点に注意が必要です。特に中高年以降は、自分が思っている以上に体の可動性や筋力が低下しており、ケガのリスクが高まります。しかも中高年のケガは回復に時間がかかり、場合によってはフレイル(虚弱)の原因になることもあります。これまでの運動不足を軽く見てはいけません。
そのため、まずはケガをしないことを最優先に、運動習慣を少しずつ身につけることが大切です。そこで運動習慣がない人に特におすすめなのが「ラジオ体操」です。ラジオ体操はケガのリスクも低く、室内・室外のどちらでも出来るため日常で取り入れやすい運動のひとつです。
また、ラジオ体操は全身の筋肉をまんべんなく動かすことができるため、血流が促され、脳への血流も改善されます。その結果、認知機能にも良い影響が期待できます。まずは1日1回を目安に、毎日の習慣としてラジオ体操を取り入れてみましょう。

画像素材:PIXTA1日10分からできるウォーキング
ウォーキングは、適度な負荷をかけながら全身を使えるため、ケガのリスクも低く、運動習慣がない人にもおすすめの運動です。ウォーキングには新陳代謝の向上や心肺機能の強化の効果が期待でき、さらには気分のリフレッシュ効果もありながら特別な道具が不要で、取り入れやすいのがおすすめのポイントです。
さらに、歩くことで脳内の神経伝達物質「アセチルコリン」の神経が活性化され、脳血流が増えることで神経細胞が損傷しにくくなると考えられています。アセチルコリンは損傷した神経細胞の回復をサポートするといわれており、ウォーキングは認知機能にもポジティブな影響をもたらすことが期待できます。実際に、よく歩く人は認知機能のスコアが高く、認知症のリスクも低い傾向があることが研究で示されています。
まずは1日10分程度、家の周りを散歩する感覚でウォーキングを始めてみましょう。歩くことに慣れてきたら、徐々に距離や時間を増やしていくと認知機能や体力向上の効果が期待できます。
なお、ウォーキングによる認知機能向上や健康効果が期待できる目安は1日約8,500歩以上といわれています。この数字を「理想的な目標」として意識しながら、今より少しずつ歩数を増やしていくことが重要です。
筋トレでモチベーションアップ
筋トレも認知機能の維持に効果的であることが研究で示されています。さらに、筋肉が引き締まることや美しい姿勢の維持など、見た目の変化も得られるため、モチベーションの向上にもつながります。運動習慣を定着させるうえで、筋トレは非常におすすめの運動の一つです。 筋トレをおこなう際は以下のポイントを意識しながらおこないましょう。
- トレーニング前後にストレッチで筋肉をほぐすことで、ケガのリスクを低減
- 鍛えたい筋肉を意識する
- 呼吸を意識し、止めないように意識する
また、筋トレをおこなう際は、プロが指導する動画や解説付きのコンテンツを見ながらおこなうと、正しいフォームを意識でき、ケガ防止にも役立ちます。
筋トレは、体力向上だけでなく心理面や認知機能にもポジティブな影響を与える運動です。まずは自宅でできる軽めの筋トレから始め、徐々に負荷を増やすことで、無理なく習慣化していきましょう。
運動をしない日もストレッチでケア
気分がすぐれなかったり、体調が優れない日は、無理に運動する必要はありません。運動は長期的に習慣化するものですので、数日休んだとしても急激に体力や筋力が衰えることはありません。むしろ、適度な休息は脳に運動習慣を定着させる助けにもなるため、意欲的に取り入れることが大切です。
休息の日はしっかりと筋肉を休めることを意識しながら、余裕があればストレッチでケアしましょう。休息日も軽く体を動かすことで、運動習慣をスムーズに継続することができ、以下のような効果も期待できます。
- 筋肉の疲労回復
- 柔軟性の維持
- 体温の向上や血流促進
ストレッチをおこなう際は、呼吸を止めず、筋肉の感覚を意識しながら無理のない範囲でゆっくり伸ばすことがポイントです。また、インターネット上には正しいフォームや手順を紹介したストレッチ動画が多く公開されているので、これらを参考にしながら取り組むのも有効です。自分の体調に合わせて、無理のない範囲で続けていきましょう。

画像素材:PIXTAまとめ
今回は、運動不足が脳や全身の健康に与える影響や認知症リスクとの関係性、そして運動不足を解消するための具体的な取り組みについて紹介しました。
運動を面倒に思う気持ちは自然なものです。しかし、運動は習慣化することで楽しくなるものでもあります。最初は「めんどくさい」と感じても、少しずつ続けることで体も心も慣れ、やがて運動そのものを楽しめるようになります。運動によるポジティブな効果も、こうした前向きなメンタルと合わせてこそ最大限に発揮されます。
また、長期的な健康維持の観点から、40代以上の方は、早めに認知症予防に取り組むことがおすすめです。多くの認知症は発症の10年以上前から脳に変化が始まるといわれており、早期発見・早期対応が予後の改善につながります。
そこでおすすめなのが、『認知症と向き合う365』というサービスです。このサービスでは、AIによるMRI画像の詳細チェック「BrainSuite®」や認知機能セルフチェックがセットになっており、定期的に脳の状態を確認できます。日々の運動習慣と組み合わせて、将来の認知症リスクに備えましょう。
- 画像素材:PIXTA
【参考文献(ウェブサイト)】
- スポーツ庁 (2024). 令和5年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」. [オンライン]. 2025年12月10日アクセス,
https://www.mext.go.jp/sports/content/20240318-kensport01-000034684_1.pdf - 全日本健康保険協会(n.d.). 【運動】 今日から始めませんか?プラス10分の運動. [オンライン]. 2025年12月10日アクセス,
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4501/p001/ - 長寿科学振興財団(2025). トレーニング:有酸素運動とは [オンライン]. 2025年12月10日アクセス,
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/yusanso-undou.html
【参考文献(書籍)】
- 秋下雅弘(2023). 目で見てわかる認知症の予防. 成美堂出版.
- 旭俊臣(2022). 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症. 幻冬舎.
- 伊藤裕(2025). 老化負債. 幻冬舎.
- 大平哲也(2025). 健康な人の小さな習慣. ダイヤモンド社.
- 上村理絵(2024). こうして、人は老いていく. アスコム.
- 長尾和宏(2023). コロナと認知症~進行を止めるために今日からできること~. ブックマン
この記事の監修者
佐藤俊彦 医師
福島県立医科大学卒業。日本医科大学付属第一病院、獨協医科大学病院、鷲谷病院での勤務を経て、1997年に「宇都宮セントラルクリニック」を開院。
最新の医療機器やAIをいち早く取り入れ、「画像診断」によるがんの超早期発見に注力、2003年には、栃木県内初のPET装置を導入し、県内初の会員制のメディカル倶楽部を創設。
新たに 2023年春には東京世田谷でも同様の画像診断センター「セントラルクリニック世田谷」を開院。
著書に『ステージ4でもあきらめない 代謝と栄養でがんに挑む』(幻冬舎)『一生病気にならない 免疫力のスイッチ』(PHP研究所)など多数。
