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認知症の検査はどんなことをする?検査方法や費用についても解説

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画像素材:PIXTA

年齢を重ねるにつれて「認知症」は誰にとっても他人ごとではなくなってきます。もの忘れが増えたり、日常生活の中で違和感を覚えたりすると「もしかして認知症かも?」と不安になる方も多いでしょう。しかし、認知症は適切な検査により早期に発見することで、進行をゆるやかにし、生活の質(QOL)を維持していくことに期待できます。

今回の記事では、認知症の代表的な種類や、どのような検査がおこなわれるのかについて解説するとともに、将来の健康に備えるために知っておきたいポイントを紹介していきます。

認知症の種類

認知症とは「脳の病気やトラブルによって認知機能(記憶力・判断力・理解力など)が低下し、日常生活に支障をきたしている状態」の総称です。つまり、脳の働きに不具合が起きて、その人らしさが少しずつ失われていく状態とも言えるのです。

ここでは代表的な4つの認知症の種類を紹介します。それぞれの原因や症状の特徴を知ることで、認知症への正しい理解と適切な対応につながります。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、全体のおよそ60~70%を占めます。アルツハイマー型認知症の発症には加齢が大きく関係しており、特に80歳を過ぎた頃からその有病率が急激に高まります。

アルツハイマー型認知症は、脳に異常なたんぱく質が過剰に蓄積されることで引き起こされると考えられています。それにより、神経細胞やそれらをつなぐシナプスが徐々に破壊され、脳全体が萎縮していきます。

脳の神経細胞が壊れていくと、記憶力・判断力・思考力などの認知機能が少しずつ低下していきます。さらに症状が進行すると、やがて身体の動きや日常生活に必要な機能にも支障が出るようになります。

血管性認知症

血管性認知症は、認知症の中でアルツハイマー型認知症に次いで多く、全体の約20%を占めます。

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの「脳血管障害」が原因で引き起こされます。脳の血管が障害されると、その血管がある部分の神経細胞が担う脳機能が影響を受けることになります。

脳血管障害は脳のさまざまな場所で起こるため、症状は人それぞれ異なります。一般的な認知症の症状である記憶力や判断力の低下に加えて、手足の麻痺や感覚障害など、局所的な神経症状が現れることもあるのが特徴です。

レビー小型認知症

レビー小体型認知症は、認知症全体の約4%を占め、アルツハイマー型認知症や血管性認知症と並ぶ三大認知症のひとつです。

レビー小体型認知症は、レビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質の凝縮体が脳の広い範囲に蓄積し、神経細胞を傷つけることで発症します。

初期段階から記憶障害や理解力の低下が見られますが、症状が日によって良くなったり悪くなったりと波があるのが特徴です。また、実際には存在しないものが見える「幻視」や、聞こえない音や声が聞こえる「幻聴」といった幻覚症状が現れることも多く、目や耳の病気と間違われることもあります。

前頭側頭型認知症

ほかの認知症とは少し異なる性質をもっているのが、前頭側頭型認知症です。全体の割合としては少ないものの、比較的若い年代で発症することがあります。

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉に異常なたんぱく質が蓄積し、その部分が障害されることで発症する認知症です。前頭葉は理性や意欲、計画性といった「人間らしさ」を司る場所です。そのため、この領域が障害されると、状況にそぐわない行動をしたり、まるで性格が変わったかのように振る舞ったりすることがあります。

この認知症では、記憶障害よりも性格や行動の変化が目立ちます。たとえば、衝動的な行動や、社会的に不適切な言動が増えるなど、感情や欲求のコントロールが難しくなることが特徴です。

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認知症検査の重要性

現在の医学では、認知症を完全に治す「根治治療」は確立されていません。そのため、認知症への最も有効なアプローチは「早期発見」と「早期対応」にあるとされています。

認知症を早期に発見できるかどうかは、その後の生活の質(QOL)に大きく影響します。たとえば、認知症を発症する前の段階で気づき、早めに対策を講じることで認知症の発症を約5年遅らせることができたという報告もあります。

この「発症を遅らせた時間」は、介助や介護を必要とせずに自分らしく生活できる貴重な時間です。つまり、早期発見は人生の選択肢や尊厳を守るうえで非常に大切な取り組みなのです。

また、すでに認知症の症状が出ている場合でも、適切な支援や治療を早期に受けることで認知機能が改善するケースもあります。そのため、できるだけ早く変化に気づいて行動に移すことが、進行を遅らせてよりよく暮らしていくための第一歩となります。

さらに、検査の結果「認知症ではなかった」と分かった場合にも意味があります。今後の発症リスクを把握したり、生活習慣の見直しにつなげたりと、予防の視点でも大きな価値があるからです。

「もしかして?」と感じたときこそ、迷わずに一度検査を受けてみることをおすすめします。それが、ご自身やご家族の未来を守る第一歩となります。

認知症検査を受けるタイミング

「最近、なんだかいつもと違う」と感じたときが、認知症検査を受けるひとつのタイミングかもしれません。

たとえば「もの忘れが増えてきた」「仕事や家事に時間がかかるようになった」など、以前とは違う自分に気づいたときは、早めに認知症検査を検討しましょう。

ただし、もの忘れや集中力の低下は、ストレスや疲労・睡眠不足などによって一時的に起こることもあります。そのため、認知症検査を検討する際には「これまでとの違い」に注目して判断することがポイントです。

  • 同じ仕事でミスが増えた
  • 家事や段取りがうまくいかない
  • 周囲のサポートが必要になる場面が増えた

以上のような変化を感じた場合は、早めに検査を受けることをおすすめします。

また、自分では気づきにくい変化もあります。同僚や家族から「忘れっぽくなった」「らしくないミスが増えたね」と指摘された場合も、検査を受けるきっかけとして捉えるとよいでしょう。

「まだ大丈夫」と思っていても、ほんの少しの違和感を見逃さずに行動することが、認知症の早期発見とその後の生活の質を守ることにつながります。気になる変化があれば、一度、検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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認知症検査を受診する医院の探し方

「認知症かもしれない」「もの忘れが気になる」と感じたとき、どの医療機関を受診すればよいのか迷う方も多いかもしれません。

まず検討したいのは「もの忘れ外来」や「認知症外来」など、認知症に特化した専門外来です。これらの外来では、認知症の診療経験が豊富な医師が対応しており、より的確な診断やアドバイスを受けることができます。

大学病院や総合病院、地域の認知症疾患医療センターなどでは、心理検査・画像検査・専門スタッフによる相談などを組み合わせた多角的なアプローチがおこなわれていることもあります。認知症に対する総合的な検査や評価を希望する場合は、こうした施設を利用するのもよいでしょう。

また「専門外来はハードルが高い」と感じる方には、まず地域のかかりつけ医に相談することをおすすめします。身近な医師に相談することで、不安を整理しながら必要に応じて適切な専門機関を紹介してもらうことができます。

認知症検査を受ける最初のステップは「相談しやすい医療機関を選ぶこと」です。ひとりで悩まず、早めに信頼できる医師に相談してみましょう。

認知症検査の種類・方法

「認知症検査」と聞くと、特定のテストを受ければすぐに結果が出るというイメージをもっている方もいるかもしれません。しかし実際には、認知症かどうかを一度の検査で断定することは非常に難しいのが実情です。

その理由は、認知機能の低下が必ずしも認知症によるものとは限らないためです。たとえば、ストレス・うつ・極度の疲労などが原因となり、一時的に記憶力や判断力が低下することがあります。また、高齢になると、誰でもある程度は脳が萎縮するため、認知機能が衰えることは自然な変化だといえます。

このように「一時的な変化」や「加齢による変化」なのか、「病気による変化」なのかを見極めるには、ひとつの検査だけでは不十分です。そのため、認知症の検査では複数の検査を組み合わせて総合的に判断していく必要があるのです。

ここからは、実際に医療現場でおこなわれている代表的な認知症検査について紹介していきます。

問診

認知症検査で最初におこなわれるのが「問診」です。問診は、医師が患者本人やその家族から直接話を聞くことで、症状の経過や日常生活での変化を把握するための大切なステップです。

具体的には、以下のような点について、医師が丁寧に確認していきます。

  • もの忘れの頻度や程度
  • 会話の内容を理解できているか
  • 家事や仕事、買い物などの生活動作に変化がないか
  • 感情や性格に以前と違う点が見られるか
  • 日中の様子や睡眠の変化

また、認知症の初期の段階では、本人が変化に気づいていないことも多いため、家族など周囲の人の違和感が大きな手がかりとなることがあります。そのため、家族が同席することで、医師がより正確に状況を把握しやすくなります。

問診は、対話によって医師が症状の背景にある病気の可能性や、その進行状況を見極めるための第一歩となる検査です。

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認知機能検査(心理検査)

「認知機能検査」では、記憶力や注意力・判断力など、日常生活に関わる脳の働きを測定します。医療現場では、検査スケールと呼ばれる標準化された評価方法を用いて、客観的に状態を把握していきます。

国内で広く使用されている代表的な検査には、以下のようなものが挙げられます。

  • ミニメンタルステート検査(MMSE)
    認知症の有無や進行度を評価するため、国際的に使われている認知機能検査
  • 長谷川式認知症スケール(HDS-R)
    日本人の生活文化に合わせて開発された、国内で多く使用されている認知機能検査

以上のような検査を通じて、どの認知機能が低下しているかを把握します。また、認知症かどうかだけでなく、その種類や進行の程度を推測する手がかりになります。質問への受け答えが中心の検査のため、身体への負担も少なく、年齢や体調を問わず実施しやすいことも特徴です。

身体検査

認知症の検査では、必要に応じて「身体検査」がおこなわれることがあります。これは、認知症によく似た症状を引き起こすほかの病気や、身体的な問題がないか調べるために行われます。

たとえば、加齢による聴力の低下があると、会話の受け答えが不明瞭になったり、話の内容に反応しにくくなったりするため、周囲が「認知症かもしれない」と感じることがあります。しかし、検査を受けた結果、原因は聴力障害だったという例も少なくありません。

このように一見すると認知症のように見える症状でも、実際には別の身体的要因によるものの可能性があります。そうした見落としを防ぐためにも、身体検査は有効です。

検査内容は医療機関や医師の判断によって異なりますが、血圧の測定、聴力・視力のチェック、神経系の異常の有無の確認などがおこなわれることが一般的です。

画像検査

認知症診断の過程でおこなわれる「画像検査」は、脳の状態を視覚的に確認する重要な検査です。ただし、画像検査だけで、認知症かどうかを確定できるわけではありません。むしろ、認知症に似た症状を引き起こすほかの病気を見逃さないためにおこなうという意味合いが大きいです。

たとえば「正常圧水頭症」や「慢性硬膜下血腫」などの病気は、症状だけをみると認知症に似ているものの、適切な治療によって改善が期待できる疾患です。こうした治療可能な病気を見逃さないためにも、画像検査は重要な役割を担います。

また、認知症は診断が非常に難しく、脳に明らかな異常がなくても認知機能の低下が起きているケースもあれば、その逆のパターンもあります。画像検査の結果は、判断を補う一助になります。

認知症における画像検査にはさまざまな種類がありますが、比較的多くの医療機関で受けやすいのが「CT検査」と「MRI検査」です。

  • CT検査(コンピュータ断層撮影)
    X線を用いて頭部の断面画像を撮影します。脳の萎縮や出血・腫瘍・慢性硬膜下血腫の有無を確認できます。検査時間が比較的短く、身体への負担も少ないことが特徴です。
  • MRI検査(磁気共鳴画像)
    磁気と電波を用いて、脳の構造を精密に撮影します。正常圧水頭症などの診断にも有効とされ、より詳細な情報を得ることが可能です。ただし、検査時間がやや長く、閉所が苦手な方は少しつらいと感じることがあります。

近年では、MRI画像にAIによる解析技術を組み合わせることで、記憶に関わる海馬の体積を推定し、将来的な認知症発祥のリスクを評価するアプローチも登場しています。

さらに高度な画像検査として「PET検査」や「SPECT検査」があります。

PET検査にはいくつかの種類があり、FDG-PET検査では脳の代謝状態を確認できます。アミロイドPET検査やタウPET検査では、アルツハイマー型認知症に関連する異常たんぱく質の蓄積を画像化します。これにより、より詳しく認知症の種類や状態を把握することが可能です。

一方、SPECT検査は、脳の血流分布を調べることで機能が低下している部位を確認する検査です。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の鑑別に用いられることもあります。

これらの検査は専門性が高いため、医師の判断のもと、限られた医療機関で実施されています。

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血液検査

認知症の検査では「血液検査」がおこなわれることがあります。多くの場合、認知症と似た症状を引き起こす別の病気が隠れていないかを調べるために実施されます。

たとえば、甲状腺機能の異常や、ビタミン欠乏などが原因で、記憶力や集中力の低下が起こることがあります。血液検査によってこうした身体的な要因を除外し、より正確な診断につなげることができます。

また近年では、アルツハイマー型認知症に関連するバイオマーカー(生体指標)を測定する、新しい血液検査も注目されています。この検査では、認知症の原因物質とされている異常たんぱく質の量を調べることで、より早い段階で脳内の変化を把握できる可能性があります。

ただし、これらの先進的な検査は研究段階にあるものも多く、すべての医療機関で受けられるわけではありません。検査の実施については、医師と相談のうえで決定されるのが一般的です。

脳脊髄液検査

認知症の検査のひとつに「脳脊髄液検査」があります。背中の腰のあたりから針を刺して、脳脊髄液(脳と脊髄を循環している液体)を採取し、その中の特定の成分を分析する検査です。

脳脊髄液中の成分を詳しく調べることで、アルツハイマー型認知症に関連するとされている異常たんぱく質(アミロイドβやタウたんぱく質など)の有無や濃度を測定し、より正確な診断の補助に役立てることができます。

ただし、この検査は患者さんへの負担が比較的大きいことや、実施できる医療機関が限られていることから、医師の慎重な判断のもとでおこなわれる検査です。そのため、すべての方に実施されるわけではなく、必要性があると判断された場合に限定して実施されます。

認知症検査の費用

どのような検査を受けるかによって、認知症の検査費用が大きく異なります。

基本的に、医師が必要と判断した検査については健康保険が適用されるため、自己負担額は比較的少なくて済みます。たとえば、問診や認知機能検査、CT・MRI検査などは、一般的に保険診療として実施されます。

一方で、PET検査(FDG・アミロイド・タウなど)や血液バイオマーカー検査など、より精密で先進的な検査の多くは、原則として自由診療(保険適用外)となります。ただし、アミロイドPET検査のように、アルツハイマー病の治療薬の投与前評価など、一定の条件下では保険適用となるケースもあります。

このように、検査の種類や目的によって保険の適用可否は変わるため、事前に医師や医療機関に確認しておくことが大切です。検査の内容とともに、費用の見積もりや保険適用の有無をしっかり確認しておきましょう。

認知症の検査を受ける際の注意点

認知症検査を受けるときに、特別に気をつけることは多くありません。ただ、最近感じた違和感や気になる変化をあらかじめメモなどにまとめておくと、診断の参考になるのでおすすめです。

たとえば「前は生きがいだった趣味が最近は億劫になった」「下痢が続いている」など、一見すると認知症と無関係に思えるような変化も、実は大事な手がかりになることがあります。どんな些細なことでも遠慮せず、医師に伝えることが大切です。

また、ご家族やパートナー、周囲の方が気づいた変化も、医師の判断の参考になる情報となります。本人だけではなく、周囲の視点を一緒に伝えることでより正確な診断につながります。

さらに、認知症の診断は一度の検査だけでは確定しない場合が多く、複数回の通院や検査が必要になることがあります。これは診断の精度を高めるために重要なプロセスなので、焦らずじっくりと経過を見守ることが必要です。

「一度の検査で異常がなかったから大丈夫」と安心して終わるのではなく、長期的に様子を見ながら、認知症のサインを見逃さないよう慎重に対応することが、将来の脳の健康を守るうえで非常に重要だと言えます。

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認知症の検査を受けるのが難しい場合の対処方法

「認知症かもしれない…」という不安を抱えながらも「忙しくて病院を調べたり、通院したりする時間がない」という方や、ご家族に受診してもらいたいのに「本人が検査を受けたがらない」という方も多いのではないでしょうか。そのようなときに役立つ効果的な方法を紹介します。

『認知症と向き合う365』を利用する

『認知症と向き合う365』は、認知症リスクの早期発見をサポートする、認知症対策のオールインワンサービスです。

オンラインや電話で手軽に受けられる認知機能チェックに加え、MRI画像をAIが詳細に分析する「BrainSuiteⓇ」がセットになっています。

また、医師や心理士などの専門スタッフに相談できる体制が整っており「最近、何を探していたのか分からなくなる」「もの忘れが増えた」というような、ちょっとした不安や気づきにも丁寧に対応してもらえるのが心強いポイントです。

MRI検査以外のサービスはすべて自宅で完結し、MRI検査も全国の提携医療機関で受けられるため、検査可能な医療機関を調べるなどの手間が省けます。また、各検査の実施時期にはリマインド連絡が届くため、検査の受け忘れの心配がありません。

さらに、離れて暮らす親御さんへの贈り物としても利用できるので、認知症リスクへの気づきや行動のきっかけとしても活用しやすいサービスです。「いきなり病院を勧めるのは難しい」という方にも、この『認知症と向き合う365』のサービスをきっかけに、無理なく認知症予防・対策の第一歩としてご活用ください。

信頼している第三者に協力してもらう

年齢を重ねると、これまでの経験からくるプライドや自尊心から、家族や子どもからの言葉を素直に受け取りづらくなることがあります。そのため、認知症の検査を勧めてもなかなか受け入れてもらえないというケースは少なくありません。

そのようなときは、本人が信頼している第三者に声をかけてもらうと効果的です。たとえば「自分も検査を受けるから一緒に受けてみない?」といった声がけであれば、抵抗感が和らぐこともあります。

大切なのは、本人の気持ちを否定せず、尊重しながら検査に導くことです。無理に説得するのではなく、本人が納得して行動に移せるような後押しが効果的です。

まとめ

今回の記事では、主な認知症の種類や検査方法について解説するとともに、将来の健康に備えるうえで知っておきたいポイントを紹介してきました。

認知症は、適切な検査を受けて早めに気づくことが大切です。今の脳の状態を把握し、必要に応じた対策や対応をはじめることで、症状の進行を抑えながら自分らしく生活できる時間を延ばすことが可能になります。

「なんとなく気になる」というような小さな違和感を見逃さず、早めに行動することが、将来の安心につながっていきます。

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【参考文献(ウェブサイト)】

【参考文献(書籍)】

  • 秋下雅弘(2023). 目で見てわかる認知症の予防. 成美堂出版.
  • 朝田隆(2023). 認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること. アスコム.
  • 朝田隆・森進(2023). 認知症を止める「脳ドック」を活かした対策. 三笠書房.
  • 北原逸美(2025). 認知症の教科書. ニュートンプレス.
  • 山田悠史(2025). 認知症になる人 ならない人. 講談社.

【参考文献(電子ジャーナル)】

この記事の監修者

佐藤俊彦 医師

佐藤俊彦 医師

福島県立医科大学卒業。日本医科大学付属第一病院、獨協医科大学病院、鷲谷病院での勤務を経て、1997年に「宇都宮セントラルクリニック」を開院。
最新の医療機器やAIをいち早く取り入れ、「画像診断」によるがんの超早期発見に注力、2003年には、栃木県内初のPET装置を導入し、県内初の会員制のメディカル倶楽部を創設。
新たに 2023年春には東京世田谷でも同様の画像診断センター「セントラルクリニック世田谷」を開院。
著書に『ステージ4でもあきらめない 代謝と栄養でがんに挑む』(幻冬舎)『一生病気にならない 免疫力のスイッチ』(PHP研究所)など多数。