認知症の予防ってどうすればいいの?~認知症リスクの早期発見をサポートする『認知症と向き合う365』をリリースいたしました~

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日本では長寿化が進み、今では「人生100年時代」ともいわれています。また、2023年には総人口のうち、29.1%が65歳以上の高齢者になるなど、この国の多くの人が高齢期を迎えつつあります。
この超高齢化社会の日本において、認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病になりました。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。
しかし、認知症は避けることのできない病ではありません。現代の医学では、認知症を「発症した後」に回復させることは難しいとされていますが、「発症する前」に適切な予防や対策をおこなうことで健康な状態を保つことは可能であり、ほぼ正常な状態まで回復したケースも少なくありません。
認知症は、ある日突然発症する疾患ではなく、生活習慣や健康状態の積み重ねによってリスクが高まっていきます。だからこそ、自分の状態を正しく知り、リスクに早めに気づくことが予防や対策の第一歩となるのです。
『認知症と向き合う365』は、認知症のリスクを早期に発見することを目指して、その後の対応までをサポートする、認知症対策に特化したサブスクリプション型のヘルスケアサービスです。
今回は、認知症への対策を早期に実施する重要性と、認知症リスクの早期発見をサポートする『認知症と向き合う365』の特長をご紹介します。
認知症の最大の要因は老齢化
認知症にはさまざまな要因がありますが、主なものとして挙げられるのは老齢化と生活習慣です。そのため、根本的な治療が確立されておらず、現代の医学では認知症を発症後に回復させることは難しいといわれています。
老化と認知症の違い
正常な老化と認知症の最大の違いは、認知機能の低下のメカニズムにあります。正常な老化は、加齢にともない認知機能がゆるやかに衰えていくので、老いによる「やりづらいこと」は増えるものの、自分の身の回りのことは自分でおこなうことができます。対して認知症は、発症すると認知機能そのものが段階的に失われていきます。そのため、抑うつ的になる、さまざまな物事への意欲が無くなるなどの人格変化に加え、食事や排泄、入浴などの日常生活における多くの動作が、一人では「できないこと」になっていき、末期には介護が必要になります。
また、老化に伴う認知機能の衰えは、訓練によってある程度回復することができますが、認知症を一度発症すると、失った認知機能を回復させることが困難で、症状の進行を遅らせることも難しくなります。

認知症への早期対策が重要な理由
発症前の認知症は回復することができる
認知症は突然発症する病気ではなく、認知症の予兆が出ている「認知症グレーゾーン」の時期が必ずあります。
「認知症グレーゾーン」と呼ばれる軽度認知障害(MCI)の時点で早期発見し、適切な対応をおこなった場合、1年で16~41%の方が健常者レベルまで認知機能回復したという研究結果があります。
さらに、アルツハイマー型認知症の初期症状に効果を示す新たな治療薬の開発が進んでおり、新たな選択肢が増えつつあるなか、早期発見の重要性はどんどん上がっています。
回復できなくても、認知症の発症を遅らせることができる
軽度認知障害(MCI)は健常者と認知症の中間の状態で、物忘れはあるものの、日常生活に支障はありません。
MCIの状態から健常者レベルまで回復はできなくても、認知症を発症させないこと、症状を進行させないことでMCIの状態を維持できれば、以前と変わりなく日常生活を過ごすことができます。
そのためには、「認知症グレーゾーン」であるMCIの時期での早期対応が重要です。早期発見から認知機能の回復トレーニングや生活習慣の改善にすみやかにつなげることで、認知症の発症や症状の進行を抑えることができます。
認知症の発症を遅らせることのできた時間は、高齢になっても自分らしく生活できる時間でもあります。認知症という病気に早い段階から向き合うことは、高齢になっても自分らしく生活できる時間、すなわち健康寿命を延ばすことにつながっていくのです。

認知症のサイン
認知症のごく初期の状態では、目に見える変化が少なく、本人や家族も気づきにくいことが多いです。しかし、「認知症グレーゾーン」である軽度認知障害(MCI)の状態になると、さまざまな変化が現れてきます。
- これまでできていた料理や家事がうまくできなくなった
- さっき聞いたことをすぐに聞き返すようになった
- おしゃれが好きだったのに、自分の身だしなみに気を使わなくなった
- 生きがいにしていた趣味を突然やめた
- 社交的だったのに急に出不精になった
- 楽しみにしていた連続ドラマを見るのをやめた
- 読書家だったのに本や新聞を読まなくなった
などの変化はありませんか。もしかしたら、それは認知症のサインかもしれません。
認知症の初期症状として「記憶力の低下」を挙げられることが多いですが、「意欲の低下」も認知機能の低下によって起こります。日常生活に支障は出ていなくても、ご本人やご家族が「あれ?ちょっと変だぞ?」と思うような変化があった場合、認知症の可能性を考えて早めの対応を取ることが大切です。
認知症の検査方法
認知症の検査方法はいくつかありますが、今回は代表的な2種類を紹介します。
①認知症スケールを用いて、脳の認知機能をチェックする検査
②MRI・CT・PETなどの脳画像で、脳の構造をチェックする検査
人の脳は臓器のなかで最も個人差が大きく、この世に同じ脳はふたつとしてありません。そのため、認知機能に支障が出ていても脳には明らかな変質が生じていないケースや、脳の萎縮がはじまっていても認知機能には支障が出ていないケースもあります。
また、認知症のごく初期の状態では、うつなどの他の症状と診断されることで見逃されることも多いため、一度検査を受けて認知症ではないと診断されても、早期発見のためには継続的な観察が非常に重要です。
認知症の検査費用
認知症の検査費用は、受ける検査の内容や診療の区分によって大きく異なります。認知症が疑われ、医師の判断により保険適用となる場合は、自己負担は原則として医療費の3割程度に抑えられます。
一方で、脳ドックなど自費診療でMRIを含む精密検査を受ける場合には、3万円〜10万円程度の費用がかかることもあります。
認知症リスクの早期発見に特化したサービス『認知症と向き合う365』
認知症リスクを早期発見することは、これまでの生活習慣や健康状態を見直すきっかけとなり、高齢になっても自分らしく生きられる時間、いわゆる「健康寿命」を延ばすことにつながります。
今回は、認知症対策を始めたいが始められていない人にピッタリな『認知症と向き合う365』をご紹介します。

『認知症と向き合う365』の3つのメニュー
『認知症と向き合う365』は、認知症リスクの早期発見を目的としたサブスクリプション型のヘルスケアサービスです。現在の認知機能と脳の状態をチェックする検査メニュー、認知症に関する不安に寄り添う多様なフォローアップメニュー、脳を活性化するコンテンツメニューをセットで提供します。
現在の認知機能と脳の状態をチェックする検査メニュー
1年を通して複数の検査メニューを組み合わせて受けることにより、現在の認知機能と脳の状態を多角的にチェックし、認知症リスクの早期発見につなげます。
<のうKNOWⓇ(オンライン脳の健康度チェック)/提供:エーザイ株式会社>
自宅で24時間受けられるセルフチェックツールです
<あたまの健康チェックⓇ(電話認知機能評価)/提供:株式会社ミレニア>
電話で専任オペレーターと対話する認知機能チェックです
<BrainSuiteⓇ(MRI検査+AI解析)/提供:株式会社CogSmart>
脳画像をベースにしたAI解析で、「海馬」の大きさを推計、可視化します
<オプション】FDG-PET検査(希望者/別途料金)>
より精密な検査としてFDG-PET検査を提供します
認知症に関する不安に寄り添うフォローアップメニュー
なかなか人に聞けない認知症のお悩みやご不安にいつでも寄り添います。
<認知症相談ダイヤル24(24時間電話相談)>
365日24時間、認知症に関するご相談を電話にて受け付けています
<チャット相談>
認知症に関するご相談、各種お問い合わせを、会員サイト内のチャットで受け付けています
<オンライン面談>
各種検査メニュー結果に基づき、担当医師がオンラインで面談を実施します
<医療機関&専門医紹介>
全国の医療機関および専門医を紹介します(紹介状発行を含む)
脳を活性化するコンテンツメニュー
- オリジナル落語動画
落語のオリジナルコンテンツを配信し、笑いで脳を活性化させることを目指します
『認知症と向き合う365』のメリット
『認知症と向き合う365』は、何から始めて良いか分かりにくい認知症対策を、「まとめて」「気軽に」「簡単に」始めることができるサービスです。
認知症対策を「まとめて」実施することができる
『認知症と向き合う365』では、認知症リスクの早期発見に役立つ検査メニューと、専門的なフォローアップメニューをオールインワンでご提供しています。「何から始めたらいいか分からない」「いろいろ調べるのが大変」と感じている方にとっても、包括的な認知症対策を始められる、使いやすいサービスです。
認知症対策を「気軽に」実施することができる
『認知症と向き合う365』は、認知症リスクの早期発見に必要なすべてのメニューを含んだ、サブスクリプション型のサービスです。費用が明確で、追加料金の心配もないため、安心して無理なく継続できます。個別に対策を講じる場合、検査や相談ごとに費用がかさみがちですが、このサービスでは必要なメニューがひとつにまとまっているため、コストを抑えながら気軽に始められるのが特長です。
認知症対策を「簡単に」実施することができる
『認知症と向き合う365』では、MRI検査を除くすべての検査メニューとフォローアップメニューをご自宅で完結できます。インターネット環境さえあれば、お手持ちのパソコン、スマートフォン、タブレットから、いつでも簡単にスタート可能。外出の手間をかけず、ご自身のペースで無理なく認知症対策を進められます。
『認知症と向き合う365』のおすすめの使い方
大切なご家族へのプレゼントとして
『認知症と向き合う365』は、ご家族のためにプレゼントとしてお申込みいただくことも可能です。
たとえば、親御さんと離れて暮らしている場合、日々のちょっとした変化には気づきにくく、久しぶりに会ったときに「高齢だから仕方ない」と見逃してしまうことも少なくありません。また、同居している場合でも、気になりつつも改めて認知症対策を始めるきっかけがつかめないというご家族が多くいらっしゃいます。
そのようなとき、認知症リスクの早期発見につながる『認知症と向き合う365』をご家族のためにプレゼントしてみませんか?お子さまなどが費用を負担し、親御さんご本人には気軽にご利用いただける「プレゼント機能」をご用意しています。

40~50代からの認知症の超早期対策に
認知症は高齢になることで発症率が上がる病気ですが、認知症になる人は発症する20年前から脳の病的変化がはじまるといわれています。つまり、将来的なリスクに備えるには、まだ症状が出ていない若いうちから「脳の状態」を知ることが非常に重要です。
また、40~50代の現役世代は更年期障害やうつ状態になりやすいため、認知症の予兆を別の病気として見逃してしまう年代でもあります。その結果、回復を望めない状態まで認知症の症状が進行してから診断されるというケースも少なくありません。
最近、「めんどうだと思うことが増えた」「家事がおっくうになっている」「仕事でのミスが増えた」などの変化はありませんか。もしかしたら、それは単なる加齢やストレスのせいではなく、脳からの危険信号かもしれません。
『認知症と向き合う365』は、そのような変化にいち早く気づき、これからの生活を見直すきっかけとして活用できるサービスです。まだ何も困っていない今だからこそ、自分自身の脳と向き合ってみませんか?
長期的な記録と観察による診断精度の向上のため
「以前、脳ドックやMRI検査を受けたけれど、特に異常はなかった」という方は多いと思いますが、認知機能や脳の状態は日々変化していくものであり、一度の検査だけでは見えない兆候も存在します。
また、脳は人によって構造の個人差が大きいと言われています。医師は、対象者と同年代の脳の平均値を参考に認知症か否かを判断しますが、対象者の過去の検査画像があれば比較することができるため、適切な判断をするために大きく役立ちます。
『認知症と向き合う365』では、認知機能チェックやMRI検査を定期的に実施することで、長期的にご自身の状態を見守ることができます。こうした自分自身の記録が、将来的に変化が生じた際に早い段階で気づくきっかけとなり得ます。今の状態を記録に残しておくことは、将来の自分を守るひとつの備えになるのです。
まとめ
現代の医学では、一度認知症を発症してしまうと回復することは難しく、発症後に症状の進行を抑えることも困難です。だからこそ、認知症を発症する前に適切な対応をおこなうことが重要です。
今はまだ認知症への不安や心配がなくても、今後歳を重ねていくにつれてさまざまな不安が出てくるかもしれません。そのような不安が生まれる前に、早いうちから認知症の対策を始めることで安心感を得られ、ポジティブに日々の生活を過ごすことができます。
『認知症と向き合う365』は、認知機能や脳の状態をチェックする検査メニューだけではなく、医師をはじめとした専門スタッフによるフォローアップメニューなど、継続的なケアが可能な認知症対策をオールインワンにしたサービスです。
そのため、「何から始めればいいのかわからない」という方にとっても、安心して第一歩を踏み出せる設計になっています。
いつまでも自分らしく生きていくために、今日できることから。『認知症と向き合う365』で、「まとめて」「気軽に」「簡単に」認知症対策を始めてみませんか。

【参考文献(ウェブサイト)】
- 公益社団法人長寿科学振興財団.(2019). 認知症予防とケア.[オンライン].2025年6月13日アクセス,
https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/ninchisho-yobo-care/index.html - 厚生労働省.(2015).「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」について.[オンライン].2025年6月13日アクセス,
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/nop1-2_3.pdf - 厚生労働省.(2019). 認知機能低下および認知症のリスク低減~WHOガイドライン~.[オンライン].2025年6月13日アクセス,
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/detail/20200410_theme_t22.pdf - 厚生労働省.(2019). 認知症施策の総合的な推進について.[オンライン].2025年6月13日アクセス,
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000519620.pdf - 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター.(2024). [オンライン].あたまとからだを元気にするMCIハンドブック.2025年6月13日アクセス,
https://www.mhlw.go.jp/content/001272358.pdf - 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター.(2021). [オンライン].自治体における認知症の「予防」に資する取組事例集.2025年6月13日アクセス,
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https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/index.html - 内閣府.(2025).高齢社会白書.[オンライン].2025年6月13日アクセス,
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html - 日本補聴器技能者協会.(n.d.).補聴器をご利用されるみなさまへ.[オンライン].2025年6月13日アクセス,
https://www.npo-jhita.org/public/index.php
【参考文献(書籍)】
・朝田隆(2023).認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること .アスコム.
この記事の監修者

佐藤俊彦 医師
福島県立医科大学卒業。日本医科大学付属第一病院、獨協医科大学病院、鷲谷病院での勤務を経て、1997年に「宇都宮セントラルクリニック」を開院。
最新の医療機器やAIをいち早く取り入れ、「画像診断」によるがんの超早期発見に注力、2003年には、栃木県内初のPET装置を導入し、県内初の会員制のメディカル倶楽部を創設。
新たに 2023年春には東京世田谷でも同様の画像診断センター「セントラルクリニック世田谷」を開院。
著書に『ステージ4でもあきらめない 代謝と栄養でがんに挑む』(幻冬舎)『一生病気にならない 免疫力のスイッチ』(PHP研究所)など多数。